「仮想通貨取引の確定申告」

皆様、こんにちは。日本クレアス税理士法人 千葉本部 代表税理士の三田洋造です。

今日は3月1日木曜日で、確定申告期の真っ只中です。

 

そこで今回は昨年から話題となっている仮想通貨取引の確定申告について書いてみます。

 

ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、仮想通貨の売却または使用による所得が20万円を超える場合は、所得税の確定申告が必要となります。

 

例えば昨年(平成29年)1年間の仮想通貨の売却または使用による利益が20万100円だったとしても、今年(平成30年)の3月15日までに、申告が必要になる、ということです。

 

ところで、昨年(平成29年)12月、国税庁より、個人課税課情報第4号として

「仮想通貨に関する所得の計算方法について(情報)」というお知らせが発出されました。

 

この(情報)は、表紙を含めて全部で7枚くらいのものですが、項目としては

1. 仮想通貨の売却
2. 仮想通貨での商品の購入
3. 仮想通貨と仮想通貨の交換
4. 仮想通貨の取得価額
5. 仮想通貨の分裂
6. 仮想通貨に関する所得の所得区分
7. 損失の取り扱い
8. 仮想通貨の証拠金取引
9. 仮想通貨のマイニング等

といったものが掲載されています。

 

仮想通貨の取引形態として実際に最も多いであろうと思われるのが、

単純に「買い」と「売り」を繰り返す取引だと思います。

 

複数の種類の仮想通貨の取引をしている方も多いと思いますが、そのような場合でも、

仮想通貨と仮想通貨の交換はあまりなく、単純な売買が多いのではないでしょうか。

 

そこで今回はこの仮想通貨の単純な売買に的を絞って、

上記の(情報)を基にどのように所得が計算されるのかを説明してみます。

 

まず、どんな仮想通貨の取引でも、はじめは必ず「買い」から始まると思います。

仮想通貨であっても、計算の仕方は普通にモノを買うのと同じく

【単価×数量=購入額(支出額)】となります。

 

仮想通貨の取引では、取引手数料がかかる場合もあるので、その場合はその取引手数料も購入額に加えます。つまり、

【単価×数量+取引手数料=購入額(支出額)】となります。

 

次に「売り」はどうなるか説明します。

売りも、買いと同じく

 

【単価×数量=売却額】となります。

 

取引手数料がかかる場合は、「買い」と同様これも織り込みます。

ただし「買い」の場合と違って「加える」のではなく「差し引く」ことになります。つまり

 

【単価×数量-取引手数料=売却額(収入額)】となります。

 

ところでこのような「買い」を複数回繰り返した後、1回「売り」があったとすると、

その「原価」はどのように計算するのでしょうか。

 

上記(情報)には、「同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合の当該仮想通貨の取得価額の算定方法としては、移動平均法を用いるのが相当です

(ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)。」と書かれています。

 

(情報)では、「取得した場合の・・・取得価額の算定方法としては」と書いていますが、

「売り」があったときのその「売却原価」は、この「取得価額」を用いることになっています。

 

したがって、「売り」があったときの「売却原価」の算定としては、「移動平均法」を用いるのが相当だ、と言っているのと同じことです。

 

ところで、移動平均法の説明は省きますが(気になる方は調べてみてください)

ご存じの方にはもうわかると思いますが、この方法はかなり煩雑で「面倒くさい」です。

 

特に「買い」と「売り」を繰り返しているような場合は、たとえExcelを使っても面倒くさいです(計算式を設定すること自体が面倒くさい)。

 

しかし総平均法(これも説明を省きますが)ならば、ぐっとシンプルになります。

 総平均法では、1年間の全ての「買い」の「購入額」を合計し、これを全ての「買い」の購入数量の合計で割り算し、その1年間の「平均購入単価」を求めればよいのです。

 そしてこの「平均購入単価」×「売却数量」が、売却した仮想通貨の取得価額(売却原価)になるという訳です。

 

そこで国税庁がせっかく「用いても差し支えありません」と言っているのだから、仮想通貨の取引(繰り返しますがここでは単純に売買を繰り返す取引に絞って話をしています)による所得の計算に用いる「取得価額」の算定には、「総平均法」を用いる方が絶対イイです。

(当事務所も仮想通貨取引(売買のみ)の確定申告を依頼された場合、「総平均法」オンリーで行きます)。

 

で、肝心の所得の計算はどうなるか、と言いますと、この場合は

【1年間のその仮想通貨の売却額の合計】-【その仮想通貨の平均購入単価×売却数量合計(売却原価)】

=【その仮想通貨取引によって得た利益】となります。

 

他の種類の仮想通貨の売買を行っていれば、それらも同様に計算します。

そして各仮想通貨の利益を合算した額が、その1年間の仮想通貨取引による所得ということになります。

 

ところで、「ある仮想通貨では利益が出ていて、別のある仮想通貨では損失が出ている」というような場合もあるでしょう。

そのような場合も全て合算、つまり利益も損失も合算して、トータルで利益が出ていれば所得があった、ということになります。

 

ここで、もし「トータルで」損失が出ていたらどうなるのかと言いますと、

結論から言えば、その損失はなかったもの(=マイナスでもゼロ止まり)、というような扱いになります。つまり

 

①他の所得と通算できない(他の所得のプラスと仮想通貨の所得のマイナスを相殺できない)し、

②仮想通貨の所得のマイナスを翌年に繰り越すこともできない、ということになります。

 

最後に、仮想通貨の取引による所得の区分ですが、これは「雑所得」という区分になります。
(雑所得の説明もここでは省きます。すいません(笑)。)

 

以上、仮想通貨取引の最も単純な形態である「買い」と「売り」の繰り返しに的を絞って説明をしてみました。

 

昨年仮想通貨取引をして、なんだか数十万円くらいは儲かっている気がするし、確定申告しなければならないのは分かっているけれど、

実際のところどうやって計算してどうやって確定申告書にまとめたらよいのか分からなくて困っている、とか、

 

頑張れば自分でできそうだけど、現実問題としてやるヒマがない、という方がいらっしゃいましたら、

一度当事務所までお問い合せください

(ただし売買の取引履歴が分かる資料を提出していただける方に限ります。それが無いと、計算のしようがないので・・・)。

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